名盤紹介#6 Arctic Monkeys『The Car』

名盤紹介

今回紹介するのは、Arctic Monkeysの7枚目のアルバム『The Car』です。

2018年の「Tranquility Base Hotel + Casino」以来4年ぶりのアルバムとなっており、音楽性は前作からの音楽に加え、ジャズやバロックポップ、ファンクなどの要素を取り入れて、さらに豪華なサウンドとなっております。

前作と比較すると今作は比較的聴きやすいアルバムだと思います。優雅なストリングスとピアノサウンドが中心となっていて、どことなく映画音楽のような感じで、聴いていてとても心地よい感じがしました。

アルバムジャケットはメンバーが撮ったらしく、ただの駐車場というシンプルな写真ですが、よく見てみると、ぐるぐると車が運転した跡が残っているのが見えますね。一見シンプルのような写真もよく見てみると、飽きさせない作りになっていて、まるで『The Car』を表しているような気がします。

『The Car』は一見シンプルなサウンドかと思いきや、バックサウンドなどが非常に細かく作られていて、本当に素晴らしいアルバムだと思います。

収録曲

リリース 2022年10月

プロデューサーは、前作に引き続きJames Fordです。                         James Fordは、Arctic Monkeysの1枚目以外のアルバム全てを手掛けており、              5人目のメンバーといってもいいほどバンドに貢献している人物です。

1. There’d Better Be A Mirrorball
2. I Ain’t Quite Where I Think I Am
3. Sculptures Of Anything Goes
4. Jet Skis On The Moat 
5. Body Paint
6. The Car
7. Big Ideas
8. Hello You
9. Mr Schwartz
10. Perfect Sense

黄色で引かれている曲がおすすめです。

アルバムは全37分と短く、サクッと聴けます。

おすすめな曲

アルバムの中からおすすめ5曲ご紹介します。

1曲目は「There’d Better Be A Mirrorball」

アルバムのオープニングナンバーです。

イントロのキーボードとストリングスがとにかく美しく、全体的に甘美な雰囲気となっております。Alex Turnerの声が若い頃よりも成熟してて良いですよね。特に3分5秒からのAlex Turnerの声とストリングスが合わさっていく瞬間がもう最高で、まるで映画1本見たような満足感があります。

Alex Turnerの作曲センスには脱帽です。

2曲目は、「I Ain’t Quite Where I Think I Am」

2曲目は、1曲目と違ってギターサウンドはあります。ただ従来のようなかき鳴らすギターとは違い、ファンクなギターとなっております。ギターリフが主だったArctic Monkeysですが、今作ではギターサウンドはあるものの、補助的な役割になっていて、少し寂しいように思えます。

3曲目は、「Body Paint」

まるでビートルズの「A Day In The Life」を聴いているような曲の展開が続きます。

ギター、ストリングス、キーボード、ドラムなどがどんどん重なっていく展開には圧巻です。

4曲目は、「Big Ideas」

個人的には、アルバム一番の名曲だと思います。

ストリングスと鍵盤がやはり最高ですね。ストリングスがあれば、曲が華やかになり、ゆったりとした曲に非常に合うと思います。曲の最後でギターソロがあり、短い時間であるものの、曲に強い印象を残しています。

5曲目は、「Perfect Sense」

アルバムのトリを飾る曲でこれがまた素晴らしいです。

ピアノとストリングのサウンドが非常に優雅で、聴いていてとても心地よいです。

まとめ

Arctic Monkeys「The Car」は本当に素晴らしいアルバムだと思います。Alex Turnerの声、バックサウンド、アレンジが見事に作り込まれていて、何回聴いても飽きないと思います。

最初聴いた時は、映画のサウンドトラックを聞いているかと勘違いするほど、豪華絢爛なサウンドで非常に驚きました。

「The Car」は、Beach Boys「Pet Sounds」に匹敵するほどの音楽の情報量の多さで、一度聴いただけでは咀嚼しきれないという印象があります。ただアルバムを何回も聴いていくうちに、聴こえなかった音楽や情報が知ることができ、よりアルバムの良さに気づけると思います。

「The Car」を作った彼らが、これから先どのようなアルバムを作っていくか非常に楽しみですね。

彼らの最新のアルバムをぜひ聴いてみてはいかがでしょうか。

コメント